鍵違い数と鍵番号

2024年3月25日

シリンダー仕様に記載されている鍵違い数とは

シリンダーのセキュリティの高さを示す指標のひとつに理論鍵違い数があります。
鍵違い数は、シリンダー内部のタンブラーの数や種類、構造の組み合わせの違いから製造することが可能な異なる鍵を使用するシリンダー数のことです。

逆に言えば、鍵違い数が多いほど内部構造が精密で耐ピッキング性能に優れセキュリティの高いシリンダーといえます。

また、シリンダー製品仕様に鍵違い数と記載されているのは、理論鍵違い数から実用的に適さない構造を除いた鍵違い数のことを表しています。

例えば、6本のピンを持ち、それぞれの上ピンと下ピンがシアラインに整列するパターン(シリンダーが回転可能な状態)を10パターン作れるとした場合、10パターン6pin=1,000,000(100万通り)の理論鍵違い数を持つことになります。

下記は、GOAL社の錠に関する基礎知識(シリンダー キーシステム)から抜粋したGOAL6本ピンシリンダー構造図です。

GOAL6本ピンシリンダー構造図

出典 GOALホームページ

主要シリンダーの理論鍵違い数

メーカー 名称 構造 理論鍵違い数
MIWA U9 9列9枚で4段変化のタンブラー 150,994,944通り
GOAL V18 18本ピンを3列に配置 120億通り
WEST WEST917 3方向20 ピンの配列 2935 億通り
KABA Kaba star neo 5列最大26ピン 2兆2千億通り

シリンダーに対応する鍵番号

鍵番号は、膨大な鍵違い数を持つシリンダーを識別するためにつけられたシリンダーごとの番号で、シリンダー内部構造に対応しています。

鍵番号とシリンダーの対応情報はメーカーが持っています。

カードでのユーザー登録などのセキュリティが無い製品では、鍵番号だけで純正キーをメーカーに発注することができます。

最近では、セキュリティのため鍵に刻印された鍵番号を削る行為が見受けられますが、鍵を紛失した場合純正キーを発注できなくなるデメリットを理解しておくことが必要です。少なくとも鍵番号を削る前には、

精度の高い合鍵を複製できる信頼のおける鍵屋さんで合鍵(複製された合鍵には合鍵メーカー名のみが刻印されます。)を作製しておくことをお勧めします。

スペアキーの不正発注を防止するためユーザー登録が必要なメーカーもあります

ディンプルシリンダーを中心に、シリンダー製品にユーザーカードが同梱されていて、スペアキー発注の際に、ユーザーカードの提示が必要な製品が増えています。

詳細は、ユーザーカードによる鍵の複製管理をご参照ください

鍵トラブル

Posted by WpX-Manager